元伊勢伝説 (御巡幸の足跡)

 倭姫命は、〝大神の鎮座地〟を求めて、笠縫邑を出発し、宇陀から近江・美濃を経て伊勢に到着されたと伝えられており、この巡路については、延暦の『皇大神宮儀式帳』に詳しく記されています。
※()内、現在の推定地

  1. 大和国 美和・御諸の宮 (出発地:奈良県桜井市三輪町、三輪山あたり)
  2. 大和国 宇太・阿貴の宮 (奈良県宇陀郡宇陀町迫間、阿紀神社か)
  3. 大和国 宇太・佐々波多の宮 (奈良県宇陀郡榛原町山辺、篠畑神社か)
  4. 伊賀国 穴穂の宮 (三重県上野市上神戸、神戸神社か)
  5. 伊賀国 阿閉柘植の宮 (三重県阿山郡柘植町上柘植古宮、都美恵神社あたりか)
  6. 淡海国 坂田の宮 (滋賀県坂田郡近江町、坂田宮岡神社か)
  7. 美濃国 伊久良賀の宮 (岐阜県本巣郡巣南町居倉、天神神社あたりか)
  8. 伊勢国 桑名・野代の宮 (三重県桑名郡多度町下野代、野志里神社あたりか)
  9. 伊勢国 河曲鈴鹿・小山の宮 (三重県亀山市野村町忍山、布気神社あたりか)
  10. 伊勢国 壱志・藤方片樋の宮 (三重県津市藤方森目、加良比之神社あたりか)
  11. 伊勢国 飯野・高宮 (三重県松阪市山添、神山神社あたりか)
  12. 伊勢国 多気・佐々牟江の宮 (三重県多気郡明和町山大淀、竹佐々夫江神社か)
  13. 伊勢国 玉岐波流・磯の宮 (三重県伊勢市磯町、磯神社か)
  14. 伊勢国 宇治家田・田上宮 (三重県伊勢市楠部町家田、神宮御田あたりか)
  15. 伊勢国 伊須々の河上・大宮地 (三重県伊勢市宇治浦田町、内宮宮城)

※ 中世の『倭姫命世記』などには、このほか「淡海甲可の日雲の宮」や「尾張国中島の宮」を経たとか「滝原の宮造らしめて坐しき」などとあります。